予防接種について
当院は予防接種として、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を行っています。
ワクチンとは、病原体(細菌やウイルスなど)の病原性を無力化もしくは非常に弱めた薬剤のことで、これを体内に注入することで特定の感染症に罹患しなくてもそれに対する免疫がつくられるようになり、その後同じ病原体に感染したとしても無症状か非常に軽い症状で済むようになります。
このワクチンを注射することを予防接種と言います。
インフルエンザワクチンとは
インフルエンザの予防対策には、手洗い・うがい、マスク着用など様々ありますが、最も有効とされているのがインフルエンザワクチンの接種です。
なお、このワクチンの効果をより高めるには接種時期も考慮することが必要です。
日本ではインフルエンザは毎年12月~翌3月頃に流行します。
ワクチン1回の接種による持続効果は約5ヵ月、接種後に効力が発揮されるまでに約2週間程度かかると言われています。
そのため11月中旬くらいまでに接種することが、より有効です。
なお、インフルエンザワクチンの接種費用は全額自己負担ですが、さいたま市では高齢者のインフルエンザワクチンの予防接種について一部費用を助成しています。
対象となる方は、さいたま市の公式ホームページをご覧ください。
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎は日本人の死因の第5位(2019年(令和元年)厚生労働省「人口動態統計」より)とされているものですが、死亡された方の95%以上は65歳以上の高齢者です。
同疾患は、肺に病原体(細菌、ウイルスなど)が侵入して感染する、あるいは薬剤やアレルギーといったことが原因で発症するとされていて、成人の肺炎の4分の1から3分の1程度の患者様は、肺炎球菌に感染することで発症すると言われています。
そのため、高齢者の肺炎球菌予防接種は定期接種となっており、さいたま市でも費用の一部を助成しています。
しかし、全ての高齢者を対象としているわけではないため、詳細に関してはさいたま市の公式HPをご覧ください。
なお定期接種の対象外とされている方でも接種自体は可能ですが、費用は全額自己負担となります。
ちなみに肺炎球菌ワクチンを一度接種した場合、再接種をするまでは5年以上の期間を空けるようにしてください。
5年を経過せずに接種をすると注射部位に強い痛みが出るようになります。
そのため、一度接種をしたら、受けた日を忘れずにメモしておくことが大切です。
小児予防接種について
赤ちゃんは誕生する際に母体から様々な免疫を授かって生まれてきます。ただ、その免疫は成長と共に減弱し、やがて様々な感染症に罹患しやすい状態となっていきます。乳幼児が発症しやすい感染症は数えきれないくらいあり、その中には感染して発症することで生命に影響する病気もあります。
このような病気に罹らないようにするために、あらかじめワクチン(感染症の病原体でもある細菌やウイルスを無毒化あるいは弱毒化した薬剤)を体内へ接種し、その感染症に対する抗体をつけていくことが必要です。
ワクチンを打つことで特定の感染症にかかりにくくなるほか、もし感染したとしても重症化するリスクが低減されます。
なお、こうした予防接種は個人の身を守るだけでなく、接種ができない人に感染させないようにし、集団感染を防ぐ目的もあります。
定期接種と任意接種
小児の予防接種につきましては、大きく定期接種と任意接種に分けられます。
定期接種は、各自治体(市区町村)が予防接種法という法律に基づいて実施するもので、これに指定されているワクチンは、いずれも感染力が強く、推奨されている期間に接種を行わないと生命に影響が及ぶと言われているものです。
なお定期接種は、自治体に協力する医療機関で行われ、国が指定する期間内に接種すれば、原則公費負担となります。
一方の任意接種は、保護者の方のご判断によって接種の有無を決めるとする予防接種になります。
したがって、接種費用は全額自己負担となりますが、任意接種の中には重症化すると命を落とす可能性のある感染症もあれば、海外では定期接種に指定されているワクチンもありますので、任意接種も可能な限り接種されることをお勧めいたします。
なおさいたま市では、おたふくかぜのワクチン接種の費用の一部を助成していますので、対象となる方はさいたま市の公式ホームページをご覧ください。
当院は「定期接種」、「任意接種」ともに接種することができます。希望される方は、お電話等でご連絡ください。
定期予防接種の種類と
回数および推奨年齢
ロタウイルスワクチン(ロタリックス)
- 接種時期
- 生後6週から生後32週目まで接種可能。
3回目は2回目の接種から4週間以上空ける。 - 接種回数
- 3回
ロタウイルスワクチン(ロタテック)
- 接種時期
- 生後6週から生後24週目まで接種可能。
2回目は1回目の接種から4週間以上空ける。 - 接種回数
- 2回
ヒブワクチン
- 接種時期
- 生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回
- 接種回数
- 4回
小児用肺炎球菌ワクチン
- 接種時期
- 生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回
- 接種回数
- 4回
B型肝炎ワクチン
- 接種時期
- 生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回
- 接種回数
- 3回
4種混合ワクチン
- 接種時期
- 生後3ヵ月~2歳の誕生日前まで
- 接種回数
- 4回
麻しん(はしか)・風しん混合ワクチン(MR)
- 接種時期
- 1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回
- 接種回数
- 2回
水ぼうそう(水痘)ワクチン
- 接種時期
- 生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月空けて1回
- 接種回数
- 2回
日本脳炎ワクチン
- 接種時期
- 3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回
- 接種回数
- 4回
BCGワクチン
- 接種時期
- 5~8か月未満の間に接種
- 接種回数
- 1回
子宮頸がんワクチン(HPV)
- 接種時期
- 中学1年生の女子が対象
- 接種回数
- 3回
小児が受ける任意接種の
種類と回数
小児の任意予防接種は次の通りです。費用は、全額自己負担となります。
A型肝炎ワクチン
- 接種時期
- 1歳から接種可能、1回目から2回目は2~4週間の間隔で接種し、その約半年後に3回目を接種
- 接種回数
- 3回
おたふくかぜワクチン
- 接種時期
- 1歳過ぎたら早期に接種、2回目は5歳以上7歳未満の間に接種
- 接種回数
- 2回
インフルエンザワクチン
- 接種時期
- 生後6ヵ月以降の全年齢が対象で、毎年流行前の10~11月に接種。1回目と2回目の間隔は2~4週間ほど空ける。
- 接種回数
- 13歳未満は2回
髄膜炎菌ワクチン
- 接種時期
- 2〜55歳までに接種
- 接種回数
- 1回
- ロタウイルスワクチンは、令和2年7月31日以前に生まれた方、もしくは8月1日以降に生まれた方でも令和2年10月1日以前に同ワクチンを接種したという場合に任意予防接種となります。
- また接種の際は、ロタリックス(1価)かロタテック(5価)のどちらかを選択しての接種となります。
※ 小児予防接種の詳細につきましては、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール等をご覧ください。